HOME |No.1|No.2No.3No.4No.5|No.6|


スタッフ便り
・・・・最近のあれこれ・・・・
by T.S


 「ラダック仮面舞踊公演」

 2月6日(金)、羽田空港に札幌雪祭りでの舞踊公演を終えた11名のラダックから来た仏教僧(ラマ)が到着した。彼らは赤い僧衣を着ていて、一目で彼らと判る格好である。彼らは夜の12時頃に到着したため、そのまま新潟に戻るわけにはいかす埼玉にある小学校の教室に一泊してからミティラー美術館へと向かった。ミティラー美術館は雪で埋もれて、彼らが乗ってきたマイクロバスは途中で坂を登ることが出来なくなり、そこから運動靴で歩いてやってきた。バスはチェーンを付けるのに手間取ったが、遅れること1,2時間無事美術館に戻ることが出来た。
 11日の新潟万代シルバ−ホテルを最初に東京のインド大使館、横浜スペースオルタや十日町雪祭り等に参加した。かれらの舞踊はラダックでは仏教の宗教儀式などの時に行なわれているのであるが、実際に見ると(寺院などで見るとまた雰囲気が変わるのだろうが)そういう感じはさせないシルクの錦織りの衣装に様々な仮面や帽子を着けた華麗な舞踊である。彼らと話していたりしていると彼らがラマ(仏教僧=「上人」の意)である事を忘れてしまうほどである。十日町に来てから買ってあげたベンチコートの背中にHIGH SCHOOL等と書いてあってもラマなのである。埼玉で泊めてもらった宿舎の近くにある真言宗のお寺や美術館の近くにある立正佼成会の生誕地道場に見学しに行ったとき、彼らはお寺に入ると五体投地のように深くお辞儀を3回してから一列に並んで座りお経を唱え始める。十日町の雪祭りの赤倉公演や横浜公演の時にも最後に般若心経を唱えた。言葉は違えど同じお経、どことなく似ているものである。お経を聞いた時、ラマだったんだなと改めて思い出した。24日、彼らに「カタ」と呼ばれる白い長細い布を我々の首にかけてもらい、彼らは成田から無事帰国していった。よく巡礼者が旅立つ前にお寺に行き、巡礼を無事終えられるようにとお参りしにいくとお坊さんがかけてくれるあの白い布である。布には仏やその他色々な仏具が書かれていて、下の方に(彼らに聞いたところによると)「good luck」という意の文字が書かれている。
 久しぶりにだれもいない宿舎に帰ると、やたらと夜が静かに感じた。時々、遠くの方でシルバーの声が聞こえるだけである。




(c) Copyright 1996/2004 Mithila Museum. All rights reserved.