MithilaMuseum/日誌0601
〜美術館作業日誌〜
 2006年1月






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1月1日(日)

キャタピラについた雪が凍り付いたのをとる作業

 元旦ですが、館長がユンボで作業をするということなので、その前にプロパンのバーナーを使ってユンボのキャタピラに凍り付いた雪を取り除く。剣スコップで雪を何度か取り除いたことはありましたがバーナーを使ってするのはこの冬初めて。剣スコップの時には凍り付いてカチコチになっていて取れなかった土も、溶かしながら取り除いていく。
 その後、館長は昨夜、残したワルリーハウスや倉庫周りの雪の片付けに向かう。夕方になって帰ってくるなり「失敗した」と皆に言う。キャタピラが外れたとのこと。
 倉庫の丁度道路を挟んだ向かえ、少し高台の所に家があるのだが、正月の休みに雪下ろしをしようと町からその家の持ち主の息子さんが戻ってきていた。頼まれたわけではないが、倉庫の雪下ろしも終えたことなので、雪をおろす場所もなくて大変だろうと、ユンボで周りの雪をどけようとした。その高台にある家に向かう上り坂はぎりぎりユンボが通れる所。その坂の途中で何度も雪をどかすためにアームと車体を動かす中で、キャタピラが滑り丁度坂の端にあった杉の木にひかかってしまった。脱出するために坂を登ろうとするのだが、この古いユンボではパワーが無くなかなか登れない。悪戦苦闘する中でキャタピラが外れてしまった。
 この杉の木に引っかかっていることや、斜面であること、内側にキャタピラが外れたこと等、今回は前回よりも大変だということ・・・しかし、元旦ということもあり、今日はゆっくり休んで、明日から直しに取りかかることに。

バーナーを使って凍った雪を溶かす
雪が完全にキャタピラの中につまっている


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1月2日(月)
 昼ごろから始めたキャタピラ直しは夜の9時を回ってもまだ終わらない。キャタピラが戻る気配は全くない。車体が坂のため斜めっていることや、周りの木によってバケットが好きなように動かせないこともあり、ただ時間が過ぎていく。
 たぶん、11時ごろ、少し車体が動いたことでアームが自由に使えるようになり、上手く坂を脱出。平地で、バケットでキャタピラを押し込んだ。10時間以上かけてもいいところまでいかなったのが、一発で「ここからならキャタピラの回転と、長い鉄棒でなんとかなる」レベルになった。そこで、そのまま続行。みんなの力をあわせて、なんとかはめ込んだ。片付けをし終わって慰労会という名の「ビールを飲む会」が始まったのは2時を過ぎてからだった。


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1月3日(火)
 昨夜は夜中の2時近くまでの作業だったので、今日は一日休みに。


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1月4日(水)

雪が降りしきる中での4tトッラク雪下ろし(トラックは下に完璧に埋まっています)

 Mnは午後から久しぶりの外出。その間サダシ、ゴルカナ、館長で積雪計作り(詳しくは積雪計作りへ→)その後、積雪計を設置した近くにある4tトラックの雪掘りを始める。これまで一回しか掘ってなかったため2mを越える雪が積もっています。ユンボのバケットを使いながら、トラックを壊さないように気をつけながらどかしていきます。荒削りした後、ゴルカナ、サダシがトラックの上に乗り、雪を落としていきます。しかし、暗くなってきたため中断。

ユンボでぐはっと掘ります
どんどんおろしてきます


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1月5日(木)

釘で合板を打ち付けよう

 4tトラックの雪下ろしを終え、ワルリーハウスの2Fの囲いをする。雪下ろしの度に、ユンボが雪をどけているので常に屋根よりも低い位置にはなっているのだが、この2日ほどの雪で完全に屋根近くまで、場所によっては越えて積もっている。
 今年の雪は常に降り続けているため、一つの家に時間をかけてはいられない。普通、屋根の先端とおろした雪がくっついた状態だと、その雪が屋根に残っている雪と凍りつき、重み(新たな雪の重みも相まって)で屋根の軒を壊す。そのため本来は次の雪下ろしのためも兼ねて、屋根の軒下を掘り、それなりの隙間を作っておかなくてはいけない。しかし、今冬は時間がないので、屋根の先端と雪がくっついていなければ、わざわざ軒下まで掘らないことにしている。そのため4回目の屋根の雪おろしの際に、軒下のスペースに雪がどんどん溜まって2階の窓を圧迫し割ってしまう可能性がある。囲い用の金具と板、合板をつかって囲う。
 ワルリーハウスに向かう途中から、圧雪道となっていて、1m近い新雪が積もっていた。ワルリーハウス脇まで除雪がされていると思っていたため、かんじきを履いていかなかった。腰を越える雪の中進むのはかなり大変で、運動量は尋常では無い。ワルリーハウスの周りの雪は道以上積もっているので、さすがにかんじきを履かなくてはと美術館に一度戻る。2階の窓から中へ一旦入り、裏側の窓へ出る。雪が軒下のスペースに積もっていてまずはその雪をスコップで掘り、合板を釘で打ち付ける。アルミサッシの窓は囲い用の金具を取り付けて板を入れる。

やっと4tトラックのお出まし
シルバーの見張り番

見よ、この雪を!!

内側から助っ人
屋根が雪の重みで損傷


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1月6日(金)

ララさんフルパワー

 今日は個々の家の4回目の雪下ろしをスタート。まずは月見亭を午前中に片付ける。月見亭はユンボが共に作業できるので、屋根の雪は自由に落とせる。しかし七郎さんの家となると、表側の道路に面している方はとよを使えばなんとかなるが、後ろ側は屋根よりも雪が高い状態。そしてユンボが裏側の雪をどかしに行くためには、バケットを駆使して順に固めて少しずつ進むので時間がかかる。道路から教員住宅行くにも、七郎さんの所にあがるにも一旦周りの雪を道路に落として押し固めなくてはいけず、後でその雪を取り除かないと今でもてんてこまいの除雪車による除雪はしてもらえない。この美術館の道が途絶えると、何かと面倒で、大きな痛手となる。また、今回ユンボは前回簡単に済ませたワルリーハウスや倉庫を重点的にしないといけないので、七郎さんと教員住宅は人力のみで行うことに。
 七郎さんの家はとよを使いながら道に雪を落としていく。それをワルリーハウスへ向かう途中のユンボが半分以上片付けてくれる。道路側の半面が終わったところで、ゴルカナが教員住宅の大屋根へ。もう雪がつかえている裏面は3分の1を残して表側へ雪を運んで落とす。残りの雪は、一度屋根から降りてというより、そのまま渡ってからスノーダンプで周りの雪をどかしスペースを作る。そして屋根の雪を落とし、それも遠くへどかしていく。
 七郎さんの大屋根と教員住宅の大屋根を終えたところで、暗いため今日は終了。今日は新年会ということで、町中にあるペペロッソというイタリアレストラン(http://www.pepe-rosso.com/)とスナックのジムランにみんなで行くことに。ジムランではゴルカナとサダシがアカペラで村の歌と踊りを披露。他のお客さんにも好評で大いに盛り上がる。

ユンボと共に
屋根は壊さないように!

盛り上がってますッ!!


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1月7日(土)
 午後から、昨日は暗くてできなかった七郎さんの家の屋根の軒だしと小屋根の雪下ろしをMnが。サダシ、ゴルカナ、ララで教員住宅の小屋根の軒だし。Mnは終わり次第、ユンボが先におろしているワルリーハウスへ。教員住宅もやはり雪は小屋根よりも高くなっていて、それらの雪をスノーダンプで運んで片付ける。新雪の軽い雪は長靴が、足が、体がすっぽりと埋まってしまう。そういう場所での作業にはかんじきがかかせない。皆かんじきを履き、10m以上も離れた場所へ何往復もしながら雪を片付ける。ワルリーハウスは投光器を一つはユンボが作業している側、もう一つはMnの作業場に向けて照らしながらの作業。ゴルカナとララが6時頃作業を終え手伝いに来る。なんとか7時前には終える。


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1月8日(日)
 朝、倉庫を1時間半あまりで落とす。皆、かなり雪下ろしのスピードが上がっている様子。本当なら男性宿舎へ向かう予定だったが、何せユンボは移動だけで時間をとってしまう。男性宿舎は完全に家が埋まっている状態。先に人力でおろせないことはないが効率が悪すぎる。そこで美術館の本館の表側を午後一で取りかかることに。表側は2時半あまりで終わった。その後、裏側へ。投光器を屋根から照らしながらの作業となるが、残り20%の裏側はユンボで先におろすので、今日のところは中断する。その後、ユンボがおろした雪のどかし作業を30分ほど行う。
 ララはとよの設置などの危ないことや屋根の半分よりも下の方での作業はあまりしてこなかったが、今では進んで行うようになった。サダシも先を見越してどの辺りを先におろしたらいいのか、Mnが指示する前に自ら考えて進んでおろす。ゴルカナはとよの設置用の穴も自ら掘るようになり、オールマイティーに何でもこなせる頼もしい存在となった。それを受けてMnもとよの設置などもしながら、よりスピードを上げるようになる。


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1月9日(月)

う〜ん、どうするかな・・・

 朝 ユンボがいるので、昨日おろした台所表側とそれに繋がっている本館の廊下やトイレの小屋根出しを先に行うことに。その後屋根に登り台所の裏手側の雪下ろしを。
 昼食後は体育館。いつもと同じようにユンボが先に雪を荒く落とした後、とよを使いながらの雪下ろし。ユンボが自ら落とし溜まった雪を掘ろうとバケットを雪下に潜らせた時に、突然、アームと片側のキャタピラが動かなくなる・・・その原因解明のために館長の指示のもとMn、ララ、ゴルカナが雪の下に埋まっているアーム周りの雪をどかすことに。サダシは一人黙々と体育館の雪をとよを使いながらおろす。ユンボが体育館の丁度半分のあたりで止まってしまっいるのだが、直った時に簡単にバックできるように周辺には雪を落とさないようにしなくてはいけない。そのため半分近くまで終わったので今度は表側をおろすことに。投光器で照らしながら、表裏ともに40%終わったところで明日へ持ち越し。

何気にカメラ目線です
ユンボ大活躍

「とよ」の手直しもお手の物
うりゃ!

シルバーもお仕事、お仕事。
アーム周りの雪どかし最中

どんどん掘りまっせ
遅くまで本当にお疲れ様です


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1月10日(火)

マフラー直し

 表側の残りの部分をおろし始める。屋根の3分の1くらい雪を落とすだけで完全に落とした雪の方が屋根の先端より高くなってしまう。そこで今度はその上にとよをかけて雪をより遠くへ落としていく。手前側から始めて順々に奥へと向かっていく。その作業と平行に頂上までおろしきったところから、屋根の先端にくっついている雪をスノーダンプでどかしていく。そうしていくと辺り一面が屋根の先端から丁度50センチほど平ら雪原になる。サダシとゴルカナが「ヒア、パーキング!」「トラック、トカ、マツイサン'ズカー、オルソ、ヒア、パーキングオッケイ!ネ!」と冗談を言う。実際、辺りの雪は押し固められていて、もしかしたら車を置いても大丈夫かも…しれない
 午後から裏側の雪下ろし。館長と松井がユンボが動かなくなった原因解明をする為にユンボ関係で使う道具一式を運んできていろいろ点検し始める。また、エア抜きや、何日か前に取れてしまったマフラーの管の代わりにジャバラの取り付け作業も行う。Mnが一人奥側を行い、可能な限りの雪を屋根の脇に落としていく。これにはスノーダンプの雪を遠くへ飛ばす技術と遠心力とを必要とするので、まだゴルカナでも出来ない。手前側はとよを2つつなげて、できるだけユンボから遠い所へ落とした後、10mほど離れた崖付近まで運ぶ。ララが屋根の雪を落とし、ゴルカナとサダシが落ちた雪をどかす作業にあたる。途中、館長の指示でユンボのアーム周りの雪(特に、昨日あまり掘れなかった屋根側)をどかす作業をサダシとゴルカナで。途中からMnも手伝う。暗くなってきたが、投光器を使い作業を進める。ユンボは屋根の先端から平行に1m付近で止まっているため、屋根側のアーム周りを平スコップで掘った、雪のやり場が無い。そこで、Mnの案で脚立とバケットを使って設置したとよに、雪を放り上げてアームの上を越えて雪を捨てていく。その雪をサダシがせっせと運ぶ。アームの下まで掘り、少しスペースを作った後、館長がもう一度アームを動かそうと試みるがアームは上がらない。結局、なす術も無くここで作業は打ち切り。

スコップで掘った後、とよへ投げ入れる
チームワークが・大・事!

ララさん力持ち!!
ここをこうして・・・っと

サダシさん、ファイトッ!
ちょっと一服。これも大事なことです


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