MithilaMuseum/日誌0601
〜美術館作業日誌〜
 2006年1月






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1月11日(水)

もう少し、右?

 昨日で体育館の屋根も終わったので、美術館玄関と渡り廊下の雪下ろしに取りかかる。玄関のグラウンド側の屋根はMnが。サダシ、ララ、ゴルカナの3人で渡り廊下の体育館側を。この渡り廊下の屋根も周りの雪が同じ高さまで積もっているので、崖側まで新雪を運んだり押し固めて雪をおろすスペースを作る。その後に屋根の雪をとよを使ってそのスペースへ、そして今度は10m離れた崖付近へ運ぶ。
 体育館側がだいたい終わったところで、今度は玄関の渡り廊下に面している屋根の雪を、とよを3つ連結させて渡り廊下の上を通り先ほどのスペースへ落とす。前回は、この渡り廊下側の雪は玄関の正面にとよを使い落としたのだが、今回はその雪をどかすユンボがいないため、この苦肉の策でいかなくてはいけない。とよを3つつなげているため、最初のとよの先端をかなり高い位置にしないと雪が滑らない。平スコップで雪を投げ上げる形。昨日のユンボのアーム周りの時よりは低いのだが、量が多い。また新雪はすぐに崩れてしまうので投げるのも一苦労。それでも午前中には玄関の屋根は終わる。午後から、その屋根の軒を出すため、そこの雪も平スコップで掘りとよへ投げる。その次に、残っている渡り廊下の雪と軒出しも同様に行う。最後は本館側の渡り廊下。

これが筋肉痛になるんです
渡り廊下を越る、雪

秘技ッ!とよ三連!!
2日でもうこんなに雪が・・


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1月12日(木)

ユンボのエア抜き中

 この冬は町中、各地で大変な雪の量で、専門の方も手が一杯の状況。キャタピラが外れた時から何度も連絡(キャタピラの時は結局自分たちで直したのだが)をしたのが良かったのか、雪も少し落ち着き傾向に向かっていることもあり、午後から重機専門の方がユンボを直しにここ大池にも来て下さるとのこと。そのため、午前中の内にユンボ周りにこの2日間で積もった雪をどかす。サダシ、ゴルカナ、ララは午後から久々の休み。雪は午前中も降り続けたが、午後3時ぐらいには晴れ間が見えてきた。
 この日、専門の方は事情により来れなかったのだが、館長が電話をすると「明日は必ず行きます」とのこと。一安心。このユンボが動かないことには、話にならない。すべての雪作業を人力で行うのは限界がある。これがまだ雪の降り始めならまだしも、既に積雪は4mを越えているのだから。

ユンボ周りの雪どけ
だいぶきれいになりました

記念撮影!!


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1月13日(金)

被災した絵の修復

 ユンボの専門の方が11時前に来てくださり、館長とMnでそのヘルプ。サダシとゴルカナは中越大震災に被災した絵の直し、ララは新たに作っている作品の続き。しかし、午後からの油圧オイル抜きとそのオイルの入れ直しの時には手伝ってもらう。
 ユンボにはアームやキャタピラを動かす油圧ポンプが2系統存在する。アームの途中とキャタピラの片方が動かなかったのは、その系統のポンプにゴミが詰まってしまってオイルが行き届かなかったことが原因だろうと。そのポンプ部分のボルトを一旦外し、中のスプリング等を掃除する。もちろんボルトを外せばオイルが流れてくる。ユンボの車体の向きが悪いために、車体とキャタピラの間に腕を入れての作業となり、また、オイルが流れ出てくる圧によりスプリング等を入れるのは非常に難しくうまくいかない。そこでオイルを、専門の方が持ってきたポンプを使って抜き取ることに。流れてくる圧が少ない状態でボルトを閉めて、一度取り除いたオイルを入れ直す。それでも動かないので、油圧オイルのフィルターを外してみる。するとだんだんアームが動くようになり、元のようになった。これで一応直ったことに。専門の方から油圧オイルの交換と、フィルターの掃除、フィルターを入れるタンクの掃除を行うべきとアドバイスを受ける。

慎重に
真剣です

いざ、久々のテラコッタ作り!
美術館の玄関んは完全に埋まっております


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1月14日(土)

新しいオイルッ!!

 小雨が降る中での油圧交換作業。ユンボの運転席の上部から、ブルーシートを覆い、反対側には梯子や脚立を使ってテントのようにして雨水が入らないようにする。
 はじめに昨日入れ戻したオイルを出す。館長が車体の後ろにあるオイル排出先のボルトをあけ、ドラム管へ移す。ポリタンクを横に半分に切り、ノズルの太いところで切ったものをつけ、漏斗代わりに。この方法は昨日のプロから教わったそうだ。管から出なくなったのち、灯油でフィルターの場所や、オイルの入れるところから灯油を垂れ流してオイル排出まで管の中を洗った方がいいともアドバイスを受けた。しかし、車体が少し前屈みのこともあり、フィルターの所でさえオイルがまだ残っている。そこで、灯油用の小さい手動ポンプを使い取り除こうとするが、場所が深かかったり、入り口が狭かったりで作業がしにくい。ゴルカナ、サダシはその後、ボロ布を使ったりしながらもなんとかオイルを取り除く。最後は館長がバキューム掃除機を使ってタンク内の掃除を行う。フィルターのタンクの掃除と平行に蓮沼がフィルター本体の洗浄にかかる。
 そして、いよいよ新品のオイルを入れる。テラコッタの制作をしていたララも加わり、チームワークの良さですんなりと完了。館長が試運転をするが、何故かアームが動かない。「動かないんだが、どうしたものかな?」館長がMnに言う。「俺に聞かれても・・・」と思ったそうだが、「昨日はフィルターを外して動いたんだから、試しに外してみたら」と。これから昼食に向かうゴルカナも見守りながら「ダイジョウブ、ニューオイル。ソー、カミン、トゥ、アーム。リトルビット、タイム、ネ。オイルカミン。ゼン、オッケイ。」とMnに説明。事実、少し暖気運転をしながら館長がアームのレバーを動かすと、それに反応して少しずつ動いてくる。だんだんとアームがもちあがり、限界まで上がって、バケットも前後に動かす。見事復活したようだ。

フィルタータンク内のオイル取り
ぼろ布を使ってオイル取り

ピンチヒッター掃除機、登場
アームが動かず悩む館長

復活!!!!


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1月15日(日)

雪の重みに耐えきれず、木立が真っ二つにッ

 今日は男性宿舎の雪下ろしを行うことに。前回の男性宿舎が終わった時点で雪が屋根の所まできている状態のため、ユンボが先に向かう。その間、サダシ、ララは絵の修復、テラコッタ制作。ゴルカナとMnで音楽室の整理。七郎さんの家の傾き直し、床張りの際に使用した道具類が、未整理のままに乱雑に置かれているため片付ける。販売用のテラコッタが入った木製の箱を発見したのでゴルカナとMnで美術館へ運ぶ。「ユンボで体育館の屋根を壊した可能性があるので、天井から雪解け水が雨漏りして作品にあたるとまずいからチェックしてくれ」と館長が蓮沼に言っていたことをMnが思い出し、一応館内をチェックする。すると体育館の一番左奥に雨漏りを発見。幸い作品には被害がなかった。
 午後、男性宿舎へ向かう。家は雪の重みで倒壊することはなかったようだが、若干壊れた部分が。思っていた以上に雪はしぼんでいたので、気合いを入れておろし始めるがかなりの重量。いつもの3倍以上の重さ。普段なら雪の下にスノーダンプを入れ、下に押す手の力だけでも十分雪がとれる。しかし今回は全体重をかけないとなかなか割れない。それでも割れない場合は、スノーダンプを縦に入れ、切れ目を入れておろしていく。
 男性宿舎と道路を挟んで落下式の屋根の家がある。この家のおばさんは暮れから娘さんのところへ避難していたのだが、たまたま今日家を見に大池に来た。おばさんから頼まれたこともあるが、助け合い精神の元、館長は屋根近くまで溜まっている雪をどかす作業を午前中1時間以上かけて行った。また、少し離れた所に半茅葺き屋根の家がある。その家を80歳くらいのおじいさんと息子さんの2人で雪下ろしをしている。既に雪は屋根まで溜まり、雪をおとすスペースが無い状態。2人だけでは大変だろうと、我々とユンボも手伝いに。このまごきちさんの家は雪下ろしが今回が2回目のようで、こちらは男性宿舎以上に重たく固い雪となっている。暗くなってしまったため、半分終わったあたりでやめることに。さすがにサダシ、ゴルカナ、ララ、Mnもかなり疲れた様子。

あ、あれ?真ん中が沈んでいるような
ふー昼食にするべ

そんなに楽しいの?
今度は真剣!

うぬ、固い・・・
どりゃー!!

うりゃ!
えいっ!

屋根を壊さないように慎重に
みんなでまごきちさんの家の雪下ろしを


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1月16日(月)

テラコッタ修復

 玄関からの廊下にためていたゴミを車に積んでから、まごきちさんの家の雪下ろしの手伝いへ向かう。1時間半程度で終了。ユンボは家周辺の雪どけをしてから美術館に戻る。今後の雪下ろしで各家にスノーダンプなどを運ぶ時に楽なように、Mnが大型のソリを男性宿舎から運び出す。
 午後から、サダシとゴルカナ、Mnで地震で壊れたテラコッタの修復にとりかかる。ララは新たに作っている作品の続き。今日は二階の展示室のテラコッタ。作品3、4体のそれぞれのパーツが混ざった状態で壊れていたりするので、どれがどのパーツか選定してから取りかかる。

ボンドで折れた足を接着
修復完成

最初は簡単な物を


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1月17日(火)

輪ゴムを使って補強

 今日はララはテラコッタ作成の続き。サダシとゴルカナ、Mnで今までのものよりも大きめのサイズのテラコッタ修復に移る。サダシが取り組んだ、古くからあるデザインの壷のようなものは、かなりパーツがバラバラになってしまっている。仮オープンに向けて館内の掃除をした際にララがそのパーツを思われるものをすべてまとめていたのだが、どうやらそれだけでは足りないようだ。そこで体育館にも何度も足を運び、あれやこれやとパーツ探しに明け暮れる。また接着するのにも一苦労。大きいサイズはその分重量があるため、くっついたと思ってもある時突然とれしまう。接着するまでは他のパーツにはとりかかれないため、思っていたよりも時間がかかる。
 館長は月見亭でのオフィスワークの合間、時間を作って、美術館脇の駐車スペースの雪をユンボを使い崖に落とす。この駐車スペースは、中越大地震の時にかなり地割れが起こり、またすぐ目の前の崖がかなり崩れている。去年の冬にはヒマラヤ杉が崖の先端から丸ごと落ちてしまった。そんなこともあり、雪溶けの水が駐車スペースからしみ込まないよう、雪ごと崖へ落としていく。

こんなにバラバラになってしまったものにも挑戦
こちらが本体

奥は崖!気をつけて!!


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1月18日(水)

お次は汽車を〜

 ララは朝からテラコッタで汽車の車両を作る。もともと5両あったのだが中越大地震で内1両が修復できない程、完璧に壊れてしまったので一から作ることに。サダシとゴルカナ、Mnで美術館体育館の2階の窓が一枚割れてしまったのを合板を打ち付けて雪が入らないようにする。ついでに、美術館玄関の脇の窓の囲いをする。いつもなら雪をおとした後、窓の部分を掘っていたのだが、いちいち掘る時間がないので埋まってもいいように合板を打ち付ける。ユンボはスタッフ用玄関の周りを道が出るぐらいきれいに掘る。これまでは、ずっと雪道から玄関に降りてったのだが、初めて雪道よりも玄関の方が高くなった。外での作業を終えてからはずっとテラコッタ修復。輪ゴムなどで接着したパーツが取れないようにしたり、紙コップをつかって形が崩れないようにしたりして直していく。途中、ララも「このパーツはここだ」「これから先にくっつけるんだ」と直々に指導も。本日8体のテラコッタが修復完了。

美術館玄関脇の屋根際の窓の囲い
玄関の方が雪よりも上にッ!!

ララさん直々に指導


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1月19日(木)
 今日は一日、ララが汽車の制作の続き。車両の下半分が完成。ゴルカナとサダシがテラコッタ修復。2階の展示室のテラコッタで修復出来そうなうなものはすべて終了したので、次は体育館にあるもの。10体以上いる楽隊のテラコッタも所々壊れているので、順々に直していく。


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1月20日(金)
 今日は昨日に引き続き、テラコッタ関係の作業。


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