[HOME] [戻る]
水道日誌◆
(by Stuff Mn)
最終更新日:2005.4.12
突如やってきた水問題を解決する奮闘の記録

 昨年10月23日の地震では、大池の山から引いてきている飲料水は止まりませんでした。しかしながら、雪が深まる1月の後半に突如水が出なくなりました。雪が降り積もる中での突然の出来事、様々な原因を究明しようとするも、雪掘りの合間、終えた後の夜の作業しか時間がとれないのが現実。当初はどこかが凍って管が破裂したのかと思い、問題が起こりそうな所をチェックしていきました。最後には、原因は水源から大地震以後の余震の作用で水が逃げたか、19年ぶりの大雪によって地震で地盤が緩んだ所を崩し、水源に近い山の中腹にある泥避け用の小水槽に問題が起きたかと推測。あるいは、第三の原因か、いずれにしても水源に近いところに問題があるようです。しかしそこは雪のため危険で行くことが出来ない所。

 毎日の生活に必要な水を確保するため、現在も進行中の大池の水の作業。このコーナーでは、スタッフによって以下、書き続けられた水道日誌をご紹介致します。「今日の本音」という等身大のコメントもあり、思わず頷いてしまうことも。温かく見守っていただけたらと思います。


奮闘の記録パート3
パート1こちら
パート2こちら

この奮闘日誌もついにパート3突入です!

パート3の始まり
(2005年4月7日)



貯水槽に水が貯まりましたぁ!
 雪山にある水源からの管を小水槽の場所で新管と直接つないでからは、美術館の水に関しては地震前と比べれば少ないがお湯も同じぐらい出てきたので生活はとてもやりやすくなった。前とは違うので、どこかで漏れている可能性があった。しばらくは同じ状態だったが、喜んだのはつかの間で、最初は風呂場関係のお湯や水が日を追うごとに減り、とうとうタラーっとしか出なくなる。月見亭は水やお湯がある程度出るので食事等は問題なくなったが、美術館の水道が次第に出なくなってきた原因を調べ始めることにした。
 最初に台所の床をはがしたことで分かったことなのだが、炊事場に近い土の所から水道管があらわれ床下を通って風呂場の小屋へ向かい床上に上がっていく。立ち上がるとバルブがあり、そこから13ミリのポリ管が1メートルほど上に上がり20ミリの鉄管にジョイントされている。その鉄管は台所に入り、炊事の水となる。途中で13ミリになった理由は地震の時に鉄管が亀裂を生じ、水がドーっと出ていた。当時、水道の工務店に連絡したのだが、町の方は大混乱で、忙しく来てもらえなかった。結局、ボランティアに来てくださった岩月さんがたまたまあった13ミリの管を使い直してくれた。今ではMnが水道関係をある程度出来るようになったので、13ミリの管を25ミリ(20ミリはジョイント部分でどうしても若干細くなってしまうので一回り大きい25ミリにした)に変えた。すると美術館の水道は勢いよく出るようになり、お湯も同じように出た。これで良かったと思っていたが、2日もしない内にお湯と風呂場の方の水がほとんどでなくなっていた。家庭用ポンプを使って水を引っ張ることなどいろいろと試行錯誤を繰り返すが・・・





え〜!再び水が出なくなったぁ!
(2005年4月8日)


 松井が昨日湯沸かし器へ向かう管の途中にあるストレーナーというゴミを取り除く装置をきれいにしてくれた。その夜に館長が見に行った時はお湯は前よりも格段に出るようになったようで、どの程度か午後Mnが一応確かめに行く。お湯は昨日よりは確かに出てはいるが、格段にとは言えない。水の方を見たり、もう一度ストレーナーをチェックしたり、お湯の管に月見亭で使っていたポンプをジョイントさせて土溜まりや石などをとろうとジョイントしようとしたりして、最終的に水の蛇口を開けてみると、水が細くなり始める。月見亭や教員住宅の貯水槽よりの家で大量に使っているのかと思い、一応確認しに月見亭に行く。松井曰く、水の圧はやはり弱くなったとのこと。Mnが貯水槽を慌てて見に行く。最後に確認したのは3月26日。道路脇の雪の壁も溶け、石垣が見える。そこを上がって行くが、近づいても水の出ている音が聞こえない。「っつーことは、水が溜まっている。か、いや水の出が悪くなったことからも小水槽からの水が来てないってことか・・・水源に何か問題でも」頭であれこれ考えながら、鉄のフタを
両手で持ち上げて開ける。水は溜まっていない。一応、水が少しは出ているかもと思い、中へ入り確認するが一滴も出ていない。
急いで月見亭へ戻り、松井に水が出るか確認を頼む。「出ない〜!!どうしよー」との返事。館長にその事を報告。直ちに小水槽付近を見に行く。一度美術館へ戻り、水道の道具を持って現場へ向かう。
 館長と佐藤、Mnと記録係のRが現場に着く。上で雪崩があったために、前回小水槽を見つけたあたりは雪で軽くだが埋まっている。佐藤が新管を見つけ、そこからジョイン
ト部分を雪を掘りながら探していく。館長は水源からのジョイントをどのあたりか検討する。新管のジョイントを見つけたので、一度ジョイントを外す。水は来ていない。もしかしたら、水源から来ていないのかもしれないと頭によぎる。館長が水源からの管を見つけ、「前ジョイントした部分が取れている」と叫ぶ。その取れた部分をジョイントし直し、月見亭に戻る。「水出る?」「うん、出るよ〜」水源からの管が埋めてある場所が崩れていたので、推測するに、土砂で管を引っ張り外れたのだろう。水が出てなにより。

今日の本音ええーーーーーー!?水どうしちゃったの?また水無し生活?そんな〜出てくれよー・・・

追記:「取れた部分をジョイントし直し」と一言で書かれているが、実際にはもの凄く大変だった。初め、前ジョイントした部分はとれて雪の下に埋まっていた。雪はだいぶ固くしまっているし、土砂と木の根っこが混じりスコップ掘るのは大変なものがあった。
館長、雪崩の下からジョイント管を発見!
掘れども掘れども…
 それでも館長は「少し掘れば大丈夫」と言い、掘り続けた。途中Mnが「こんなに埋まってたんじゃ無理だよ。第一掘ったところでジョイントまで届かないって(今ある位置ではジョイントしようとしても20センチ程管は届かないことは明らか)」「いーや大丈夫だ。いいから掘るぞ。」渋々、佐藤とMnで掘り続けた。が、結局、無理だと分かったようで、新しい管でジョイントし直すようにと2人に指示を出た。館長は地震の復旧に向けた文章を作るために月見亭に戻り、変わりに助っ人でRが参加。新しくジョイントすると言っても、前と違い水の量は桁違い増しているし、新しい管はあの苦戦したヨリの強い50ミリのポリ管<詳しくは水道日誌パート1を>。のばしてもすぐに丸まってしまい、管をジョイントしようとするとどうしてもジョイント部分より高め(丸く湾曲)になってしまう。そのため、ジョイント部分に水圧がかかり、噴水のごとく水は噴き出し、我々目がけて飛んでくる。何度も強い水しぶきをかぶりながらもMnがなんとかジョイントのネジ山を噛ませる。苦戦しながらももう一方もジョイントできた。全て終わったのは7時30近く。(水が出なくなったのは4時ちょっと過ぎである)

雪上でふらつきつつも「大蛇」をえんやこら…運び上げます


原因解明!雪の下で外れていた管
とにかく手強い大蛇ポリ管!負けるな!

 この後も、また美術館で水が出なくなったりした。しかし、見えない所が今はだいぶ見えていて、水の絶対量も多くなったので全く水が出ないことも少なくなった。4メートルの雪の中で本管を探したり、その本管に他の管をジョイントしたり様々なことをやってきたので土や砂利が入ってしまい、それらが水圧が増えてきた為に出口の所までやってきたのだろう。ほとんどはストレーナーの所に溜まった砂やサビのようなものを取り除くと水はすぐ回復するようになった。ただ、美術館のトイレの水が未だに出ないので、そのあたりの理由を調べ始めている。小水槽の上の雪山はまだだいぶ雪が残っているので危険。(亀裂がかなり深く入っている。落ちるべき所はかなり落ちている。)それでも小水槽を発見しに行ったころよりは雪山は落ち着いている。ただ、小水槽の上に覆い被さるようにのっていた重い固い雪は岩のようで剣スコでも跳ね飛ばされる程。小水槽の目の前の3メートル近い雪の壁はユンボで無理矢理に開けたので下の方は土から30センチほどせり出して、そこから水があちらこちらにしみ出ている。その雪が落ちるとは思えないが落ちたとすれば膨大な量の底雪崩となる。周りの雪山とくっついているので落ちる前には何らかの亀裂が生じると思える。今は小水槽の上に落ちた雪崩のような、例え、小さな頭ぐらいの雪の固まりでも落ちてきて作業している我々に当たったら危険だ。そこで作業しながらも館長はしばしば上を眺めていた。何事なくジョイント出来て良かった。また雪崩が落ちれば同じ繰り返しをしなければならないだろう。それにしても低い位置にある月見亭の水が出なくなってから、水が出るようになるまでが数時間、というのは本当に心強い。






(c) Copyright 1996/2005 Mithila Museum. All rights reserved.