HOME |


野菜づくりノート
・・・・大池の畑から・・・・
by H.O


2003年6月


 野菜の種の袋に発芽温度が記されている物がある。30℃とあるのに気が付いたのは、種を播いた後だった。
 今年の畑仕事は始めるのが遅れて、ツツジや桐の花が咲けば何を播いても大丈夫と言われているが、それらの花々はもうとっくに咲いていた。この春の勢いは全速力の様相で、何やら夏に向かってまっしぐらの波が何度か寄せていたので、どこかの家の畑も苗は植えられ、種蒔きは終わり、ジャガイモの花が咲きそうなほどに成長しているところもあって、5月中旬は遅すぎもしない時期のはずなのだが、あせりを覚えつつの畑仕事だった。
 畑はそう広くない。が、一人でやるには広〜い。曇天のあまり暑くない一日、スタッフのS君を助人に頼み、耕運機はかけてあった畑地に入った。初の農作業を体験することになったS君は、鍬使いもすぐに馴れて、女の子なら重いの、出来ないのと騒ぐところを黙々と進め、少しずつ畝の数が増え、畑らしい形になっていった。
 S君の仕事はジャガイモのさく作りと植付け、サツマイモとトマト・ナスの畝作り、ツルなしインゲンのさく作りと種蒔き、チンゲン菜と小カブの種蒔き、トマトとナスはビニールのマルチをかけた。結構がんばった初仕事だった。実はこれだけの作業が身に付けば、大抵の野菜作りの基礎はできたというわけで。あとは本を参考にしたりすれば、どこでも野菜作りが出来るということだ。
 ところで、後日苗を買い、トマト・ナス・ピーマン・トウガラシ・キュウリ・サツマイモ・里芋を植え付け、オクラ・カボチャ・ズッキーニ・枝豆を種蒔き。ネギは後にしてと一段落。少し遊び心でくだ件んの種蒔きをしたのだ。ゴーヤー(ニガウリ)である。今年の5月は異常に暑い時があるとはいえ、30℃は自信がない。半ば諦めながらも他の種を播いた畝と一緒に朝の水やりをしていた。10日ほど後土が動き、翌日には緑の芽がのぞいていた。発芽したのだ。地温はいつ30℃になり種の扉を叩いたのだろう。他の野菜の種はほとんど発芽して、少しずつのびてきている。
 畑仕事を始めて半月、脇芽を摘んだり、間引きしたり、土寄せしたりと、ほとんど朝だけの付き合いの野菜たちだが、紫色のナスにトマト、キュウリに黄色の花が咲いている。




(c) Copyright 1996/2003 Mithila Museum. All rights reserved.