[HOME] 1999.6.26

スパイス
Spice Magic!!
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インド料理にはスパイスが欠かせません。スパイスの刺激的な存在感と、数種類のスパイスを組み合わせた微妙な味や香りはインド料理の醍醐味です。
また、インドには3千年以上も前から伝わるアーユルヴェーダという医学があります。
それは一言で言うと自然の力を取り入ながら心と身体のバランスをうまく取ることが出来れば、病気にはならず健康に暮らすことが出来るという考え方に基づいています。
アーユルヴェーダの薬の原料はスパイスやハーブ、花などが中心です。そしてそれらのスパイスのほとんどが漢方薬としても使われています。
長い歴史の中でインド料理もさまざまに変化してきたと思いますが、スパイスのもつ力に関しての考えは生活の中で現在にも受け継がれています。


ターメリック * コリアンダー * クミン * 唐辛子 * カルダモン

ターメリック/Turmeric/うこん
(ヒンディー名: ハルディ)
ショウガ科多年草
原産地: 熱帯アジア
使用部分: 根茎
カレーの黄色はターメリックによる。土臭いような苦味があり少量使う。日本には江戸時代に伝来し、たくあん漬けの着色にも使われた。また、虫除け効果から、うこん染めの布で大切な衣類を包んだ。

効能:肝臓を強める。浄血作用。殺菌、健胃作用など。
原産地の東南アジア・南アジアでは儀式のときや魔よけの意味でターメリックで体を染める習慣がある。インドでは花嫁花婿の腕をターメリックで染めたり、ターメリックで着色した米を結婚式に用いる地方もある。

コリアンダー/Coriander/香菜/パクチー
(ヒンディー名: ダニヤー)
セリ科一年草
原産地:南ヨーロッパから西アジア
使用部分: 種・葉
種子のパウダーはさわやかな風味でカレーにとろみを出すインド料理の基本スパイスのひとつ。葉は種と全く違う強い独特の香り。生の葉は中国、タイ料理などにもよく使われるが、インドでも料理に添えたり、チャツニーを作る。

効能:消化促進、発汗促進、解毒。
古代ギリシアの”医学の父”ヒポクラテスも健胃、催眠作用などの薬効を指摘。「千夜一夜物語」には媚薬として用いられた記述がある。

クミン/Cumin/うまぜり
(ヒンディー名: ジラー)
セリ科一年草
原産地: エジプト
使用部分: 種
インド料理ではターメリック、コリアンダーと共に広く使われる。いわゆるカレーの香りはクミンの香りが中心。熱した油ではじかせると香りがよく引き出せる。

効能:強壮、消化促進、腹痛鎮静。
インドでもヨーロッパでも共に多産と誠実のシンボルとされ、ヨーロッパでは花嫁花婿が身につけた。

チリペッパー/Chilli pepper/唐辛子
(ヒンディー名: ミルチ)
ナス科一年草
原産地: 中南米
使用部分: 果実
辛味スパイスの王様。コロンブスがアメリカ大陸から持ち出して以来、あっという間に世界中に広がり、多くの品種が生まれた。辛くないものもある。インド料理の辛さの加減はほどんど唐辛子の量による。ちなみにインドに唐辛子が広まったのはほんの3〜400年前のこと、それまでは大量の胡椒によって辛味がつけられていた。また中国、朝鮮半島も同様で、それ以前は山椒が使われていた。キムチも山椒や南方から輸入した胡椒で漬けられていたという。

効能: 辛味成分が胃液の分泌を促し、食欲増進と肥満の防止。カロチン、ビタミン類も豊富。
古代マヤ人の神官は、神殿で唐辛子を焚いて悪魔祓いをした。日本の破戒修験者も、唐辛子燻しの刑を受けた。

カルダモン/Cardamon/しょうずく
(ヒンディー名: イラーイチー)
ショウガ科多年草
原産地: 南インド・スリランカ
使用部分: 果実
インド料理で丸のまま(ホール)のカルダモンはさやの中の黒く小さい種をつぶして加える。デザートにもよく使われる。インドチャイにもよく合う。中近東ではコーヒーに入れる。サフランと並ぶほど高価なスパイス。

効能:身体を冷やす作用がある。鼻炎、頭痛、
スリランカでは歓迎のしるしに客にカルダモンを出す。


このコーナーでは今後写真を加えたり内容を増やして行く予定です。
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