2008年日印文化交流
2007年日印交流年 "The Festival of India(インド祭)"の
成功を受けて、インド大使館を中心に日本全国で展開する
日印文化交流事業'08日印文化交流のWebページです。 
日印交流年2007
The Festival of India 2007
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◆6月のイベント◆
人類の芸術文化のルーツを観る
〜インド・ミティラー画とワルリー画を中心に〜
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展覧会作品イメージ

India-Japan Cultural Exchange 2008('08日印文化交流)の第二弾として、日本でインドの人が最も多く住む区、東京・江戸川区葛西にある関口美術館でインドの民俗アートをご紹介しました。

「人類の芸術文化のルーツを観る」
ーインド・ミティラー画とワルリー画を中心にー 

関口美術館     
館主 関口雄三   

数年前、以前からの友人である長谷川氏を新潟県中越大震災のお見舞いも兼ね訪ねた。
元々音楽家でもあり現在は十日町ミティラー美術館の館長も務める彼は1980年代よりインドに度々渡り多くのインド美術(ワルリー絵画、ミティラー絵画等)のコレクションが高じて十日町の廃校を美術館にしているとのうわさは聞いていた。
が、その地に繰り広げられていたのは正に人類の芸術のルーツであり、原点であった。新潟の地に世界でも類を見ない美術の原点に触れ、早速、彼と「いつか東京の地で必ず展覧会を開く」ことを約束し今日この日を迎えるに至った。
ともすれば、美術に携わる者として西洋から伝わる美術に傾倒しがちであるが、今一度、私たちの文化的ルーツでもあるアジアを見直す機会になればと願うものです。



展覧会開催にあたり

ミティラー美術館館長 長谷川時夫   

昨年の日印交流年、The Festival of India(インド祭)、本年のIndia-Japan Cultural Exchange 2008('08日印文化交流)の推進に協力している、NPO法人日印交流を盛り上げる会事務局のあるミティラー美術館は、新潟県十日町市大池という名の池のほとりにある廃校の小学校を使った美術館です。

1982年に開館して以来、ミティラー画やワルリー画の調査・研究・コレクションとインド・民俗アートの全国的な公開をしてまいりました。特に、1988年以来インドより民俗アートの描き手を延べ80人近く招聘し、本来の壁画手法を疑似壁に描いてもらうことを進めてきました。彼らの伝統壁画を描き終わったあと、ミティラー美術館とのコラボレーションが徐々に始まり、日本で生まれ発展するインド・民族アートの世界というべき大作が数々生まれました。元々飢饉が訪れたときに、現地救済としてスタートしたこの絵画運動は、優れた描き手を輩出してきましたが、と同時に売るということが救済の目的でもあったため、インドの手工芸展で山積みとなって売られるようなおみやげ的な絵画として存在していました。日本に来日したアーティストがたっぷりとした時間をかけて描き、また他の優れた作品を観ることで刺激を受け、日本で見る様々な芸術にも影響され、そして5年10年と来日する中でとてもおもしろい作品が生まれて参りました。例えば、この6月1日に帰国したワルリー族の描き手2名(11回来日)は、森の中の雪の生活を描くということも始めていったのです。彼らの絵の特徴はアニミズム的な要素が残っていて、自然との深いコミュニケーションを持つ絵画と言えます。自分たちを超える神々や祖霊、民族神、大きな力によって自分たちが生きていられると受け止めています。科学的・合理的に物事を考え、自我を確立し我の世界から芸術を描くというテンションの高いアートとは異なり、描かれたものは素朴でコスモロジーを感じさせるものとなっています。

環境問題が地球環境として重要となっている現代、自然という環境に開かれた心で描かれた絵画は、一種の癒しを人に与えるものともなっています。彼らの絵画を部屋に掛けていると、そこが自然宇宙への窓となり様々な示唆を与えてくれると思います。しかしこのような絵画は現代社会でほとんど評価されていないということも事実です。川を見て私たちはもっときれいにしなければいけないと思い、環境基準を達成すると少し満足しますが、彼らにとって川は神であり自分たちを生かしてくれるものです。

川は海となり、海は空に流れ、空になった川はやがて大地に流れ、あらゆる生き物の中に流れていきます。そして命あるものを動かす川は、そのような永遠の変転を繰り返すのです。

今回の展覧会は、国内で最もインドの人が住む東京・葛西で開催されます。関口美術館は、関口氏という建築家が会社の一階部分をミュージアムとして開放したものです。今年自宅を改築するにあたって、美術館東館として展示スペースをさらに設けました。自宅にも滝を流すなど、狭い空間ながら自然や宇宙を取り込もうと努力されています。東京湾を子どもたちが泳げる海にしようとNPOを作って活動もしている友人で、私どものミティラー美術館が新潟県中越大震災で甚大な被害を受け、仮復興は果たしましたが、今も復興の手を休めていないことに支援しようと今回の特別展を開催してくれました。このような展覧会を機に、インドの新たな民俗絵画が評価を受ける時代になってもらいたいと願っています。



展覧会日程


warli_tree■会期:2008年6月14日(土)〜6月29日(日)
■会場:関口美術館本館・東館
    
(東京都江戸川区中葛西6-7-12 アルトジャルダン1階)
      (TEL:03-3869-1992)
■時間:11:00-18:00 (月曜日休館)
■入場料:大人500円 学生300円 小学生100円

■会場までのアクセス:

○電車でお越しの場合、地下鉄東西線「葛西」駅より徒歩15分、JR京葉線「葛西臨海公園」駅より車で5分。
○一之江方面より車でお越しの場合、環状7号線「東葛西7丁目」交差点を右折、3つ目の信号を左折。
○葛西I.C方面より車でお越しの場合、環状7号線「東葛西7丁目」交差点を左折、3つ目の信号を左折。

関口美術館アクセスマップ




チラシ


展覧会チラシ




お問い合わせ


展覧会についての問い合わせは
NPO法人日印交流を盛りあげる会事務局まで

新潟県十日町市大池 ミティラー美術館内
TEL:025-752-2396 / FAX:025-752-6076
Mail:info@mithila-museum.com



主催等

共催
関口美術館/ミティラー美術館
協力
NPO法人日印交流を盛り上げる会/江戸川インド人会/シャンティ紅茶
後援
江戸川区、インド大使館、インド政府観光局、エア・インディア、インド貿易振興局、(財)日印協会



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